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ERA BY:Private Park
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ERA BY:Private Parkのサムネイル

2026年4月現在、インディペンデントで活動しているアーティストの活動形態を次なるアーティストに向けてアーカイブしていくガイド企画『ERA BY(読み:エラバイ)』。今回は、Seukolのギタリストとして活動し、バンド解散後はキッサ・コッポラ、生活の設計、Gateballersのサポートなど、シーンの中で多面的に活動を続けている廣松 直人によるソロ・プロジェクト『Private Park』。アーティストとしての活動形態の変化に伴う『迷いと選択』について伺いました。

◼︎プロフィール


Private Park(プライベートパーク)

"表現というどこまでいっても個人的な欲求ながらも、あらゆる人に開かれた音楽でありたい"ということから名付けられたプロジェクト名の元で、これまでSeukolのメンバーとして活動していた廣松が自ら作詞作曲、ボーカルを務める。


PAST(過去・これまで)

学生時代


── 学生時代の音楽との関わりについて教えてください。

Private Park: 中学生のときには既に自室でひたすらギターを弾くような子でした。そのままの流れで大学ではコピーバンドをやるサークルに入ったので、自室に加えて大学の練習室でも演奏をするような毎日を送っていましたね。

── 学生時代はご自身のバンドを組む形での活動はしていなかったんですね。

Private Park: 大学で所属していたサークルでは特に、なんとなく固定観念として「こういう音楽でないといけない」という閉じた雰囲気がありました。それだからか、自分から主体的に動くことができませんでした。また、「やり続けていればいつかバンドでも組むだろう」というぼんやりとした楽観性はずっとあって、結局、大学卒業間際にも周囲の就活の波に流される形で会社員としての就職を一度決めてしまったんですよね。

── 学生時代にできなかったことはありますか?

Private Park: 大学時代は「こういう音楽でないと」という価値観に自分自身も囚われてしまい、本当は一番好きな4ピースのギターロックバンドができなかったと思いました。それで結局、社会人になってすぐに『Seukol』という4ピースバンドを組んで、「本当にやりたいこと」にやっと立ち返ることができた感じがしました。

── 学生時代にやって良かったことはなんですか?

Private Park: 今一緒にやっているメンバーもほとんど学生時代に出会っているし、自分のやりたいことから一度は少し離れたとしても、今目の前にある音楽に向き合うことでその後に繋がることがあると思います。


会社員時代


── 会社員になってからアーティスト活動をやろうと決心したきっかけは?

Private Park: 転機となったのは、2020年4月のコロナ禍での就職でした。就職したものの自宅待機となり、これまで好きだった音楽やカルチャーに改めて触れることができて、好きな物事を見つめ直すことができました。また、今までは関係を持つことがあまりなかった音楽やカルチャーに全然興味がない人たちばかりの会社という環境に身を投じてみて初めて自覚することがたくさんありました。これまで自分がいかに狭い世界にいたのかということに気づかされるのと同時に、その狭い世界でも天井は常に開放されていて、自分の意思さえあればいつでも飛び出すことができるんだということにも気づきました。

「私しか知らない感覚があるんだから、自由にやればよくね」という気持ちになりました。


NOW(現在)

Private ParkとCandlelight


── ソロ活動は、どのようなライフスタイルの中で行っていますか?

Private Park:現在は、2026年の2月にオープンした〈小さな本屋 Candlelight〉の運営があるので日々店に出向きながら、他の時間で音楽活動を行うというような生活です。

── 本屋「Candlelight」の経営と音楽活動をどのような割合やスケジュールで活動していますか?

Private Park: 店は週5日営業しているので、生活の中での割合も必然的に高くなりますね。ただ、自分の音楽活動としてアルバム作品を作るときなどには、半日すべてを制作に当てるなどしてまとまった時間を確保できるようにしていました。サポートギターの活動は、これらの普段の活動をベースにしながらスタジオやライブなどの呼ばれた場所に出向いて行っています。

── 現在のCandlelightの活動と、アーティスト活動はどのように紐づいているイメージですか?

Private Park: 今は完全に別個の文脈としてある状態です。とはいえ、Candlelightでも音楽を取り入れたイベントをやってきているので、少なからずそこから影響を受けて音楽を作ったり、歌詞に影響が出ている部分はありますね。


PEOPLE(誰と)

津留 一穂


Private Park:ドラムの津留さんは大学の先輩ですが、学生時代には既にサークルの外に出て下北沢のバンドシーンでサポート活動などを行っている人でした。「大学の外でもドラムを叩きたい」という意志がある方なんだろうなと思っていたので、Seukolを結成した当初にお願いして、それ以降はずっと本メンバーのようにいてくれています。


Filmland、hardnuts、GLASGOWなどのサポートドラマーとして活躍。自身も「つるフェス」を主催するなど精力的に活動中。

渋田 智士


Private Park: ベースの渋田は、学生時代からの知り合いで同級生です。Seukol(社会人になってから自身で組んだバンド)よりも前、大学時代にも一度だけ「外バン」活動を誘われてやったことがあります。そのときも一緒にバンド演奏をしていました。Seukolのベーシストは別の人でしたが、途中でベースが脱けてしまったときにサポートで入ってほしいと自分から依頼したことで渋田と再会することができました。「なんだかんだ、私の音楽活動はずっと渋田と共にあるかもしれない」というくらいずっと一緒にやっていますね(笑)。


ぷにぷに電機やHOT DOG LOVEをはじめとするアーティストのサポートベーシスト。ライブ・レコーディング等幅広く活動中。

Kensei Ogata


Private Park: Kensei Ogataさんは、実はSeukolでアルバムを作ろうとしていた時に依頼していた方なんです。当時、自分が対バンしているバンドなどでよく目にするエンジニアさんだなと思っていて。インディーズやインディペンデントのアーティストのレコーディングに携わっている数人のエンジニアの作品をプレイリストごとにまとめて全部聴き比べをして、メンバーと「この人がいいんじゃないか」と相談しながら決めました。Seukolは解散してしまいましたが、アルバムを作るというプロジェクトを自分が引き継いだ形なので、そのままKenseiさんに依頼しています。


音楽家 / Rec, Mix, Mastering エンジニア。雪国・エスキベル他、多数のインディーバンドのサウンドを支え、自作エフェクター制作やソロ活動も並行する。

PLACE(どこで)

下北沢BONUS TRACK


Private Park:下北沢でのライブのリハから本番までの間に立ち寄ったりする場所ですね。Candlelightでは2024年にマーケットイベントも行ったりして、馴染み深い場所です。空が開けていて落ち着く場所です。


recording studio CRUSOE


Private Park:ギターとベースとドラムはここで全部録音して。エンジニアのKensei Ogataさんもバンドを録るならそこを必ず使っている、というような馴染み深い場所でした。


小さな本屋 Candlelight


Private Park:実は、本屋の話は去年(2025年)の10月頃に急に出てきたプロジェクトなんです。元々自分がバイトをしていた本屋さんの隣の物件がたまたま空いたというご縁があって立ち上げることになりました。


REFERENCE(影響を受けたもの)


── リリースに至る活動をするにあたって、特に影響を受けたものについて教えてください。

Private Park: アジアのインディーバンドには、日本のシティポップのように洗練されすぎているものとは違って、少し「湿っている感」があるというか。そういうギターサウンドをやりたいなとずっと思っていました。音響的なデザインについても、「こういうのってどうやってやるんですか?」とエンジニアのKensei Ogataさんと相談しながら作りましたね。

── 具体的には、どのように形にしていったのでしょうか。

Private Park: 今回、エンジニアのKensei Ogataさんとリファレンスを元に「この響きはどうやって作るんですか?」と密に相談しながら、音響的なデザインは練り上げました。 ただ、「鍵盤や同期音源を入れない」というギターバンドとしての立ち位置は絶対に守りたかった。そこが自分にとっての譲れないラインなんです。

── 静かなボーカルと、剥き出しのバンドサウンドの対比も印象的に感じました。

Private Park:男性の声で吐息交じりに静かに歌う手法とバンドでの『裏切り』を意識的に取り入れました。結果的にアコギ1本で成り立つような曲作りになりましたね。


RECOMMEND(同時代アーティストへの言及)

LAIKA DAY DREAM


Private Park: 大学の先輩でもあるLAIKA DAY DREAMはアルバムでしかリリースをしていないんですが、「インディーバンドでこれくらいのクオリティの作品を作れるんだ」と衝撃を受けました。彼らの姿勢を見て、シングルではなくちゃんとアルバムという単位で世界観を提示して制作しようと決意しましたね。


エスキベル


Private Park:今回のリリースと同じくKensei Ogataさんがエンジニアを務めていて、普通のギターロックに留まらない音響的で面白い作品を作っている、面白いバンドです。


TOBE(未来・これから)


── 今後の活動計画をどのように描いていますか?

Private Park: リリースした後は、少し時期が空いてでもリリースライブをしたいと考えています。ただ、聴き応えのあるアルバムを目指して幅広いジャンルに挑戦したので、ライブでその熱量を再現してくれるギタリストを誰にお願いすべきか探しているところです。

── ソロプロジェクトとしての持続可能性や、今後のライブスタイルについてはどうお考えですか?

Private Park: ひとりで活動を動かしていく以上、サポートメンバーへの謝礼やスタジオ代など、バンドセットを維持し続けるのは経済面でも肉体的にも体力がいることだと痛感しています。だからこそ、まずは自分自身が「弾き語り」で圧倒的な価値を出せるようになりたい。 場所を選ばず、自分のタイミングで自由に企画を打っていけたらいいですね。

── 現在並行している本屋「Candlelight」の経営と、音楽プロジェクト「Private Park」は、今後どのように交差していくのでしょうか。

Private Park: いずれ両方の活動に「場所」と「音」としての確固たる価値が出て、将来的に法人化する・個人事務所を構えるなどとなったとき、それらが同じ会社の中の別事業のようなイメージになると理想です。そのためにはまず、作品で説得力を示していくこと。良い作品を作り、正当に評価され、そこにお客さんがついてきてくれるというシンプルな循環を作っていきたいですね。


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