はじめに
国内最大級のインディペンデント音楽配信サービス TuneCore Japan。 これまでに累計 約711億円(2025年時点)をアーティストへ還元し、リリースされた楽曲は 200万曲以上 にのぼります。本シリーズでは、TuneCore Japanが保有する膨大なデータから、HipHopシーンの”リアル” を読み解きます。
これまで、「サブミット編」、「コラボ編」、「アルバム編」を公開してきました。まだチェックしていない方は、是非あわせてご覧ください。
▼サブミット編
▼コラボ編
▼アルバム編
今回は楽曲をリリースする頻度によって収益などにどのような変化があるかを紐解いていきます。
リリース頻度に関して
現在のストリーミング時代において日々膨大なHipHopの楽曲が配信され、凄まじいスピードで消費されています。かつてのように1枚のアルバムを長期間繰り返し聴き込む時代ではなくなり、「〇年振りの新曲」という言葉は今でも耳にしますが、現代のHipHopシーンにおいて1年以上リリースがないとリスナーから忘れ去られてしまう可能性すらあります。絶え間なく楽曲をリリースし続けることは、アーティストとして生き残るための重要な課題と言っても過言ではありません。
日本でも人気を博すUSのラッパー、YoungBoy Never Broke Againは2025年だけで80曲以上、毎年平均3〜4枚のアルバムをリリースしています。その結果Spotifyが発表した「2025年に最も再生されたHipHopアーティスト」で見事9位にランクインしました。興味深いのは、「最も再生されたアルバム」や「シングル」のランキングにはYoungBoy Never Broke Againの作品は入っていないという点です。これは圧倒的なリリースの数がアーティストとしての価値、人気を高めている証拠とも言えます。
本記事では、TuneCore Japanの実際のデータから「リリース頻度と収益の関係性」を紐解き、コンスタントにリリースを続けることがいかに重要かを解説していきます。
TOPアーティストは沢山リリースしている!?
このグラフは、TuneCore Japanから楽曲を配信しているHipHopジャンルのアーティストについて、年間リリース数(アルバム、シングル)を比較したものです。

このグラフから読み取れる通り、収益上位10%のアーティストはそうでないアーティストに比べてアルバム、シングルを年間平均で約2倍リリースしています。このデータからTOPアーティストは単に曲の良し悪しだけでなく、継続的にリリースをしていることが分かります。毎年コンスタントにリリースを続けることによってリスナーの定着率が上がり、ファンベースを築いていくことに繋がります。
リリースを沢山するほど収益単価が上がる!
続いて、リリース数の違いが「1リリースあたりの収益」にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

上記のグラフは、TuneCore JapanのHipHopジャンルのアーティストのリリース数別に1リリースあたりの平均収益を表したものです。このグラフを見ると3年間のリリース数が多いアーティストほど、1作品ごとの収益単価も高くなっていることが分かります。
特に、3年間で「7〜10リリース」を行っているアーティストの平均単価は非常に高く、リリース頻度がいかに重要であるかが明確に表れています。この結果を踏まえ、まずはシングル・アルバムを問わず、「1年間に3作品以上」のリリースを一つの目標にしてみてはいかがでしょうか。
リリース頻度を上げるには?
ここまで、リリース頻度を高めることが、アルゴリズムへの好影響やリスナーとの接触回数を増やし、結果として再生数や収益を伸ばすために極めて重要であることを説明してきました。 今後のアーティスト活動において、ぜひ「戦略的なリリース頻度」を意識してみてください。
リリースを効率化するための具体的なヒントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。本記事では、リリース頻度を最大化するために抑えておきたいポイントに絞ってお伝えさせていただきます。
ーリリース頻度を支えるプランの選択
リリース頻度を上げる際、最大のハードルになるのが「リリースごとのコスト」です。1回ごとに費用が発生するプランでは、どうしても「自信作ができるまで待とう」とリリースのハードルが上がってしまいがちです。
そこでおすすめなのが、年間定額で使い放題の「Unlimitedプラン」です。 このプランを利用することで、コストを気にせず、完成した楽曲を即座にリリースすることが可能になります。また、頻繁なリリースによって過去作のカタログ再生も底上げされるため、長期的な収益性の向上(再生単価の最大化)が期待できます。
▼プランの変更・詳細はこちらから
https://www.tunecore.co.jp/dashboard/pricing
リリース頻度を上げつつきちんとプロモーションを行っていきたい方はProプランの加入がお勧めです。
プラン名 | リリース頻度の最大化 | サブミット | アルバム最大楽曲数 | メインアーティスト数 |
|---|---|---|---|---|
PayPer Releaseプラン | △(1回ごとに費用発生) | ○ | 50曲まで | 無制限 |
Unlimited スタータープラン | ○ | ✕ | 5曲まで | 1名まで |
Unlimited スタンダードプラン | ○ | ✕ | 15曲まで | 1名まで |
Unlimited プロプラン | ○ | ○ | 50曲まで | 2名+無制限 |
Unlimited エンタープライズプラン(法人のみ加入可能) | ○ | ○ | 50曲まで | 2名+無制限 |
ーリリースのストックとスケジュールの管理
忘れてはいけないのが、高頻度なリリースを維持するには「制作のストック」と「逆算したスケジュール」が必要だということです。
単発のリリースで終わらせず、例えば「毎月第○金曜日にリリースする」といったルーティン化を行うことで、リスナーに「次に聴けるタイミング」を認知させることができます。配信開始希望日の最短3週間前にはすべての素材(音源・ジャケット)を揃え、審査提出を完了させておくのが理想的です。
▼リリースのスケジュール例
1~2ヶ月目:シングルリリース
3~4ヶ月目:シングルリリース
5~6ヶ月目:EPリリース
7~8ヶ月目:シングルリリース
9~10ヶ月目:シングルリリース
11〜12ヶ月目:アルバムリリース
また、リリースする上で配信ストアのプレイリストに入りやすくなるサブミットは欠かせません。サブミットを利用するには審査提出の締切や上限数などもあるため、計画的にリリースすることが大切です。 サブミットの重要性は以下の記事でも記載しているのでぜひご参照ください。
ーリスナーのタイムラインに居座り続けること
最後に、リリース頻度を上げることは、1曲のヒットを狙う活動から、アーティストの存在を常にシーンに提示し続ける活動へとシフトすることを意味します。 プロモーションを本気で行いたいフェーズこそ、Unlimitedプランをフル活用し、リリースの「数」と「質」の両面からマーケットへの接点を最大化させていきましょう。

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