フィールドは渋谷の路上からフェスまで『umber session tribe』

2016/09/28


 
渋谷の街中で「路上ファンク」として名を広め、FUJI ROCK FESTIBAL 2015 に出演し、FUJIROCK EXPRESSにてベストアクト3位に選ばれた「umber session tribe」。ロックやソウルなどを感じさせながらも、「踊らせたい」と明確に喋っているかのように基本的なノリはファンクに徹底したサウンド。一度路上ライブを観てから惚れてしまった私は、今回、MCの渡邉航光(KTwigz)さんにお越しいただき、気になる事をあれこれインタビューさせていただきました。
 
 
Photo by Nagata Takuya
インタビュアー 星
 
 
 

〜結成の経緯〜

 
 
ーーKTwigzさんとバンドメンバーはどのように出会ったのですか?結成の経緯はどういったものだったのでしょうか?
 
KTwigz:みんな元々同じサークルのメンバーですね。
 
ーーどこのサークルですか?
 
KTwigz:俺以外はみんな慶應のクロケン、シャックス、カルアのいずれかに入ってて、だいたい俺以外は同い年なんですよ。俺は大学に入ってから皆と知り合ったけど、他のメンバーは中学とか高校の頃から仲良くて昔から一緒にバンドやってたりらしいですね。俺は大学在学中にSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)に「英語できるラッパーがいるぞ」みたいな噂がたって誘われたみたいな感じですね。最初のほうはThe Rootsとかライブでやりたい時とかに呼ばれる人だったんですよ。
実際にアンバーを結成したのは俺が大学卒業してからで、最初は路上やって目立つセッション集団としてベースのaanriiが集めた感じでしたね。最初はもうずっとジェームス・ブラウンとかスティーヴィー・ワンダーとかのネタ使ってずっとセッションしてるみたいな集団でした。そういうセッションやっているときに「たまにラッパー入ってきたらかっこいいんじゃないか」って考えから俺が呼ばれるようになった経緯ですね。
 
ーーそこから、メンバーもラッパー必要だなってなったわけですか?
 
そこからは金稼ぐために音源作ろうぜって流れがあったんだけど、その時はまだ二曲ぐらいしか俺が入ってない状態でしたね。その時仕事が忙しくて全然コミットしてなかったのもあるかも知れないですが。その後バンドとして方向性も考えてもいない状態でフジロックが決まったのがきっかけで色々変わりましたね。当時もライブは毎回出ていたので。フジ終わって色々反省会みたいなのした結果「全曲ラップがいた方が盛り上がるよね」という結論になって。フジ前とフジ後でバンドの形態や温度感がかなり変わりましたね。
 
 
 

〜路上での出会い〜

 
 
ーー路上ライブをやっていく中で、面白い出会いはありましたか?
 
KTwigz:ありましたね。カルロス菅野さんとかはかなり大きい出会いだったと思います。90年代にグラミーとかノミネートされているバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」や「熱帯JAZZ団」のリーダー/パーカショニストの菅野さんが名刺をくれて、みんなテンション上がりましたね(笑)
今までやった大きな節目の企画ライブに2回とも来て頂いたりして本当に感謝です。
 
あとは、ニューヨークのラッパーでアキム・ザ・ファンクブッダ(AKIM the Funk Buddha)っていう人がいて。その人は90年代にジンバブエレジット(ZIMBABWE LEGIT)ていうユニットでラップしてた人で、アメリカで初めてデビューしたジンバブエの人なんですよね。仲良くなって色々話していたら当時チャック・Dとかメソッドマンと撮った写真をめっちゃ見せきて(笑)
なんかその人がきっかけでうちのバンドすごい変わったのはありますね。
 
ーーどう変わったんですか?
 
KTwigz:それまではずっとジャングル・ブギーのネタ使ってセッションするみたいなことしてて。スタジオにアキム呼んでセッションしているうちに、「お前らオリジナル曲作らないと上は目指せないぞ」みたいなこと言われて。でもうちら最初そういう意識なかったんですよ。ただのセッション楽しんでるバンドから曲を作ってリリースするバンドになるという心の変化は大きかった気がします。
 
 

〜尊敬するラッパー〜

 
 
ーー他のインタビューで好きなラッパーを聞かれた際に、ラップが好きなのはラキムとメソッドマンでアーティストとして好きなのはスヌープ・ドッグとアウトキャストと答えていたのですがその差はなんなのですか?
 
KTwigz:アーティストとして好きなのはラップという観点だけではなくて、キャラと出す世界観が好きということですね。スヌープ・ドッグはマジでキャラの天才だと思っていて。彼の1stアルバム「Doggystyle」はLBC(カリフォルニア州ロングビーチ)出身のゴロツキ、サグ、ギャングスタとしてデビューして、2ndからはマフィアのドンっぽい感じのシックなタイ、スーツ、ハットでめっちゃ決まっているイメージを打ち出したりしていて。そこからはステッキとかを持って70年代、80年代ファンクのいわゆるピンプカルチャーっぽい格好もしちゃうんですよ。でもどれやってもスヌープになるし何やっても似合っていてダサくないっていう見せ方が出来るんですよね。多分アーティストとしてこういうことやろうしてワックになっちゃうラッパーって結構多いと思うんですよね。アウトキャストのアンドレ3000も何やっててもアンドレ3000としてかっこよくなる。あんなめちゃくちゃな格好してるけど、本当ファンキーだなという評価になるし、それがかっこ良いんですよね
 
 
ーーいろんなスタイルをこなせるのに違和感がないのが魅力ということですかね?
 
KTwigz:いろんなスタイルをこなすにしても結局それが自分にとってリアルかどうかっていうことが重要なんだともいます。例えばスヌープってファンクっぽい格好しても、すげぇファンク好きで聞いて育ったのがわかるんですよ。
 
 
ーー 一方のラキムとメソッドマンに関しては本当にラップが好きという感じですか?
 
KTwigz:そうですね。その2人に関してはフロウやリリシズムが最強だなと感じますね。特にラキムは俺の中でトップ・オブ・トップで、リリックもフロウもあの人よりやばいラッパーはいないだろって思いますね。アメリカで言われているジョークで「ラキムが水のように流れているのか、水がラキムのように流れているのかどっちなんだ」っていうのがあって、そう言われているくらい凄いんですよね。例えば全然ジャンルは違うけどリンキンパークの曲でラキムがフィーチャリングされている曲とかあるんですが、ラキム入ってきた瞬間レベルの違うかっこよさになるんですよ。やっぱり休符と言葉を伸ばすところの作り方がめちゃめちゃうまいなって感じますね。聴いてて飽きないし、リリックもこれすごい頭いいなって思う言い回しも多いし。あの人は昔からずっと今もナンバーワンだと思います。
 


 
ーー僕は英語強くないのでリリックに関しては深く読んだことはないのですが、言葉の詰め方と間で言ったら先ほどのスヌープとかも…
 
KTwigz:そうですね、だからスヌープはフロウも最強だなって思いますね。ラッパーって自分のスタイルのレーンを作らないといけない中スヌープは本当に他には誰も出来ないレーンを自分で作っているのが凄いなと思っていて。まぁ90年代は特にラッパー/MCとしての競争が激しかったのもあって自分の椅子をどっかに作らないと、パクリというかスタイルをBiteしていることになるし、そういうラッパーは生き残らないんですよね。ラッパーってその自分の椅子をどこにどう置くかがめちゃくちゃ大切で。その中でスヌープドッグは誰もできないレーンで自分の椅子を置いて、誰にも真似できないスタイルをやっているのがかっこいいですよね。一瞬聞いだけでスヌープの声/フロウだってわかりますし。
 
ーースヌープは知らない曲で乗っていても聞いてて、一発でスヌープだってわかりますもんね。
 
KTwigz:ドクター・ドレーがプロデュースする基準がそれらしいんですよね。エミネム、スヌープ、イグジビットみたいに一瞬で声がわかるラッパーを好んでプロデュースするらしいです。
 
ーーカズさんはそういった視点の中でどこにレーンを置こうと考えていますか?
 
KTwigz:それがすごい難しい問題なんですよね(笑)
ここ1年ぐらいすごいそれを考えていて、いろんなスタイル試してみた結果気がついたのは割とオラついてるラップスタイルのほうが似合うのかも知れないなって最近思い始めましたね。もともとあまり滑舌が良くないからしっとりとした感じでやるとあんまり映えないラップになるかなって恐れみたいなのはあります。実際自分の声を客観的に聴いたらどういう効果が得られるのかはわからないけど、自分の声があまり好きじゃなくて(笑)
 
ーーなんでですか?
 
KTwigz:すごい尖ってる声なので。自分はそこがあんまり好きじゃなかったけど、そこを強みにしていかないといけないのかなっていうのは思いますね。
 
 

〜最近聴いてる曲〜

 
 
ーー最近聴いてる曲はなんですか?
 
KTwigz:最近、自分の曲ばっか聴いてるんですけど、ちなみにさっき来るときに聴いてたのは、ウータンクランの「C.R.E.A.M.」です。
バンドメンバーに共有しようと思って作った「90’s dope shit」っていう名前のプレイリストがあって、それ聞いてました。
 
ーー東海岸も西海岸もあって幅広いですね。これ記事に載せていいですか?
 
KTwigz:いいですよ。
 
(下で公開します!)

 
 

〜曲の制作過程は〜

 
 
KTwigz:umberに関しては毎回の作品ごとに制作過程が違って。基本はベースのaanriiが作ってます。彼が作ったのを持ってきてみんなで演奏してみて、「こうしたほうが良くない?」とか言いながら、展開も考えたりする感じですね。その後に声乗っけるところは基本的に俺が考えますね。
1stEPは全部aanriiが考えてきて、それを俺らが演奏するっていう形だったんですけど「Dude?!!!??!」は少し違いましたね。どっちかっていうと1コーラス分のネタを彼が持ってきてそれを演奏しながら皆で考えるっていうのが「Dude?!!!??!」の制作方法でしたね。
 
ーーネタはKTwigzさんも持ってきたりもするんですか?
 
KTwigz:いやそれはもう全部aanriiですね。そこは全部統一しようってことになっていて。ただでさえ結構ジャンルの振り幅が大きいバンドなので俺とかが持ってきたら、また多分方向性がわけわかんなくなるんじゃないかなと思っています。そこはアンバーとしてaanriiが曲作ったほうがまとまって良いかなと。
 
ーーじゃあ、aanriiさん作曲の編曲全員ってことなんですね?
 
KTwigz:「Dude?!!!??!」に関してはそうですね。その後の曲はまた変わって来ていますけど。
 
ーーaanriiさんはどういう状況で持ってくるんですか?
全部のパート打ち込みして持ち込むとか、楽譜に起こしてとか…
 
KTwigz:基本的には打ち込んで来る感じですね。「Dude?!!!??!」の時は1フレーズとかだったんですけど、なんか彼の特性的に彼が全部作ったほうがかっこよくなる説がありますね。結構コード感とか尖ってるんで全部彼が作ったほうが案外面白いものが出来る説が最近復活していて。「Dude?!!!??!」はそれを剥ぎ落として丸くしましたみたいな感じがあったので次の作品はもっと面白い作品にするためにまたaanriiが全部作ってくる形になるのかなと。
 
ーーアンバーセッショントライブ今後の展望とは?
 
KTwigz:まだあまり固まってない状況でどこまで言っていいのか分からないですが、最新の音楽をやっていこうっていう感じはありますね。「Dude?!!!??!」に関しては過去の音楽を全面的にリスペクトしているサウンドをやっていたので。「Dude?!!!??!」って名前は俺が提案したんですけど、もともと「Dude」っていうのはクインシー・ジョーンズのアルバムから取っていて、後ろに付いてるびっくりマークはThe Rootsの「Do You Want More ?!!!??!」ってアルバムから取っているんですよ。70年代80年代のファンクのプロデューサーの神様のクインシー・ジョーンズと生音ヒップホップの先駆けのThe Rootsの二つを足したものを作ってる意識が俺の中ではあったんですよね。
 
そういう意味で昔の音楽にヒップホップっぽいラップをのせるから少し新しい価値をつけられるぐらいの意識だったんですけど、次はもう新しい音楽やっていこうみたいな意識になっていますね。2017年の音を俺らがやるぞっていう意識で。最近ディスコ回帰みたいな流れがあると思っていて、そういうテイストを入れたり、がっつりヒップホップ風味にしたりで今まであまりなかったようなファンクを作れたらいいなって思っています。
 
 

 

プレイリスト『90’s dope shit』 by KTwigz
 
ATLiens - Outkast
Southernplayalisticadillacmuzik – Outkast
C.R.E.A.M - Wu-Tang Clan
Regulate – Warren G
Mass Appeal – Gang Starr
Who Am I (What’s My Name)? – Snoop Dogg
Gun and Juice – Snoop Dogg
Nuthin’ but a G thang – Dr.Dre
Still D.R.E - Dr.Dre
Put It On – Put It On
Release Yo’Delf – Method Man
Survival of the Fittest – Mobb Deep
Guess Who’s Back – Rakim
Doo Wop (That Thing)
Problems – AZ
Duck Season – The Beatnuts
Off The Book - The Beatnuts
Twinz – Big Punisher
Step Into A World – Krs-One
The Message – Nas
The World Is Yours – Nas
Nas Is Like – Nas
Who Shot Ya – The Notorious B.I.G
Everyday Struggle - The Notorious B.I.G
Machine Gun Funk - The Notorious B.I.G
Runnin’ – The Pharcyde
Drop - The Pharcyde
Boom (Street Version)
Award Tour – A Tribe Called Quest
Young Niggaz – 2Pac
Ambitionz az Ridah (Remastered) – 2Pac
California Love - 2Pac
Skills - Gang Starr
I Used To Love H.E.R. – Common
Brooklyn’s Finest – Jay Z
Dead Presidents Ⅱ - Jay Z
So Ghetto – Jay Z
Real Hip-Hop – Das EFX
Time 4 Sum Aksion – Redman
Still Not a Player – Big Punisher
Jump – Kris Kross

 

 

ライブ情報
 
10/15 THIS IS “LIFE” AFRO PARKER 2ND ALBUM RELEASE PARTY
 
出演者
AFRO PARKER
umber session tribe
WONK
 
11/20 BADASS FUJIYAMA TOUR FINAL !!! “NERD vs GEEK FES” at 新代田 FEVER
 
出演者
ZA FEEDO
MUSIC ROM THE MARS
TAMTAM
umber session tribe
 
umber session tribe
 
STREET FUNK PHENOMENA

 

 

Written by TuneCore Japan 学生アンバサダー インタビュー / 文:星
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