The Fess インタビュー | 旋律を中心に“間と切なさ、風景、感情、音のダイナミクス”を表現する3ピース・インストバンド

2014.9.12


The Fess
The Fess
 

都内を中心に活動を続けるスリーピースインストバンドThe Fess。洗練された音楽を日々作り出しているThe Fessのメンバーにインストゥルメンタルで活動することになった経緯、バンド名の由来、影響を受けたアーティストについて語っていただきました。

バンド名の由来

——まずはじめに自己紹介をお願いします。

このバンドは2011年9月に結成された、東京・吉祥寺を拠点とするオルタナティブ3ピースインストゥルメンタルバンドです。メンバーはGtがウエダトモヒロ(30)大阪出身、Baのヤマダタカアキ(30)福井出身、そしてDrのフジモトヨウスケ(31)愛媛出身の3人で構成されています。昨年、2013年には自主制作盤『4th.e.p』のレコ発イベントを行い、吉祥寺のライブハウスにて100名以上の観客を動員しました。

——The Fessというバンド名の由来は?

ロックフェスティバルのような、いくつかの大きなライブステージでも通用するバンドになりたいという思いからです。FestivalのFes+sでFessという文字を作って、自分達のバンド名の為の造語を創りました。が、調べてみると、実は「紋章、告白」という意味があるそうです。
Theを付けたのはThe BeatlesやThe Whoなどの偉大な先人たちへのリスペクトです。

 

インストバンドになった経緯

——メンバーそれぞれ出身地もバラバラということなのですが、バンドが結成されたきっかけは?そしてその際なぜインストゥルメンタルというカタチで活動をすることになったんですか?

元々、関西方面出身の楽器隊3人が大学も同じで仲が良くて、いろいろな状況が重なり合い、バンド活動のために3人で東京に来ました。そして東京でボーカルを見つけて1年間ほどバンド活動しました。でもレコーディングを終えてミックス作業の日にボーカルから脱退の申し出がありまして(笑)。そしてボーカルの脱退によりバンド名を“The Fess”に改め、残りのメンバーで活動することになり、音楽性もボーカル抜きのインストゥルメンタルという形になりました。

——ボーカルありのバンドから、インストバンドへと音楽性の転換をされたということですが、その際に何か大変なことはありましたか?

まず、曲の作り方が不明確でした。インストは明確な歌詞もないので、音に強い発信力を持たせることが必要になります。しかし、音に強い発信力を持たせないといけないということは頭ではわかっていたつもりでしたが、最初3人でスタジオに入ったときは演奏に表情をつけることさえままなりませんでした。そうして曲が未完成ながらも、ライブハウスにThe Fessとして初出演しました。インストバンドとしての初ライブは散々な出来でした。もちろん、お客さんからは不評の嵐でした…

悔しくて悔しくて、それから出演したライブハウスのブッキング、PA、店員の方々にライブ終了後に曲作り、ライブの仕方など相談に乗っていただいて、こちらからも色々聞きました。ライブハウスで働く人達の中には批判する方々はあまりいなく、皆さん熱心にアドバイスしてくれました。バンドとしては良くなるための改善点しか無かったため、日々メンバーと話し合いの場を持ち、意見がぶつかったり切磋琢磨しながら現在もバンド活動しています。正直にいうと活動は今でも大変な状態ですね(笑)。

 

The Fessが奏でる世界

——先日The Fessのライブを拝見した時、インストゥルメンタルという歌のない曲ながら、“曲がひとつの物語として成立している”という印象を強く受けたのですが、楽曲はどのように制作されていますか?

曲に関してはまず、3人でスタジオでジャムセッションでをして練るところからスタートします。そして、それにメンバーそれぞれが持ってきたリフをアレンジしながらスタジオで曲を制作していきます。


さらにそうして出来上がってきた曲を、一人一人が各々完成形を想像しながら、再度スタジオでメンバーで擦り合わせしながら最終的に完成まで近づけていきます。曲を作る上では、音の旋律を中心に、“間と切なさ、風景、感情、音のダイナミクス”をどう作るかを重点に考えながら制作します。

 

サウンドのルーツ

——様々な工程を経て、The Fessの洗練された楽曲が出来上がるんですね。続いてThe Fessが影響を受けたアーティストについてお聞きしたいのですが、どういったバンドに影響を受けてきましたか?

私たちが影響を受けたバンドは国内ではHi-STANDARD、toe。海外のバンドではRed Hot Chili Peppersですね。

Hi-STANDARDからは人としての生き方、困難に立ち向かう精神性といったマインドを学びました。音楽性は言うまでもなく圧倒的でした。toeの曲はギターのコード一つとっても、物悲しい感じがして、曲を聴いた後どこか余韻を残す寂しさがあります。初めて耳にした時、そのコード感に心を奪われました。そうした音楽性から何か心に引っかかる哀愁のようなものをtoeから影響を受けました。Red Hot Chili Peppersからは常に新しいことに挑戦しながらも自分達のスタイルを変えないというスタンスに影響を受けました。

——国内外問わず様々なバンドから影響を受けているんですね。ちなみにインストというジャンルでThe Fessとしてオススメするバンドはいますか?

はい、います。百景、indigo jam unit、Robert GLasper trioという3バンドをおすすめしたいと思います。

まず百景、このバンドはスリーピースのインストバンドなんですが、ギターのクリーントーンの気持ちよさ、ベース、ドラムの掛け合いの気持ちよさがグッときます。次にindigo jam unitは圧倒的なベースのグルーヴ感とそのウネリがすごいですね。Robert Grasper trioはアメリカのバンドなのですが、演奏中の雰囲気が最高すぎます。

 

デジタル配信をしてみて

——どのバンドもかっこいいですね、インストはまりそうです(笑)。また少し話が変わりますが、The Fessには今年の4月からTuneCore Japanを利用して頂いています。TuneCore Japanを知ったきっかけと、このサービスを利用頂いたご感想をお聞きしたいです。

The Fessはレーベルなどには属しておりませんので、告知力が強くありません。なので、ライブ会場以外での発信をずっと考えていました。そうした中で世界中の音楽が聴けて購入できるiTunesを使って音源配信し、もっとたくさんの人に聴いてもらいたいという考えを私たちは持っていました。そんな時にiTunesからの配信を目指してインターネットで調べていたところ、何件かの配信サイトを見つけ、その中でもTuneCore Japanが配信の早さ、配信期間などが現在のバンド活動に適していたため、TuneCore Japanを選びました。

利用した感想としては、配信を告知したバンドのTwitterやFacebookから反応があり、関西、海外では香港のお客様の問い合わせもあり、iTunesで音源を購入して頂く機会もありました。さらにプラスアルファで、HPアドレスにも問い合わせがあり、CD音源も通販してほしいという要望があり購入して頂きました。実際のライブの現場だと、関西のツアーに行った際に実際にお客様がライブに足を運んで頂いたことがありました。お客様に「ライブに来てよかった!!」と言われた時は、本当に感激しました。バンド活動のきっかけとしてTuneCore Japanから配信して良かったと思っています。

——そうした生の声はとても嬉しいです!それでは最後になってしまいますが、The Fessとしてこの先どのように活動していこうとお考えでしょうか。


最初は自分たちがバンドが大好きでバンド活動したいという思いで始めました。しかしこの3年間の間、自分たちの力だけではなく、思った以上に周りの仲間たち、お客様に助けられてきて活動している部分が大きいと思いました。自分たちが助けられたことを、また周りの方たちが喜んで頂けるように活動していけたらと思います。もちろん自分たちが楽しむことも忘れずに。当面の目標としては、ミニアルバムを制作し、よりたくさんの人にThe Fessの楽曲を聴いて頂いてライブに足を運んで頂けたらと思っています。現在はライブを行いつつ、楽曲制作に日々取り組んでいるところです。

あと最後になりますが、The Fessの楽曲を使ってなんらかのプロモーションをしたいという方、大歓迎です。映像制作の方など楽曲提供いたしますので、ご相談ください。ちなみに最近ライブ中のメンバー衣装を合わせてみました。そんなところもライブで見て頂けると面白いと思います(笑)。


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この記事の執筆者

TuneCore Japan Official Ambassador

TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

https://amb.tunecore.co.jp/